前回、ポートレート撮影時の基本的な考え方(注意点など)を列挙いたしました。これらは、写真教室で教えてもらえるような、正に基本だと思います。
但し、「本能的に自然に見えるように撮る」ことは、案外、気にしていない方が多いのではないでしょうか、、、これは、感覚的なものなので、人により大きく考え方が異なると思います、、、
もう1点、修行・訓練すること、、、これから始める方、始めたばかりの方、もっと上手くなりたいと思っている方は、集中的に撮影する期間を持つことをお勧めします。
さて、今回は、「フレーミング」について、、、
「無駄なもの、無駄なスペースを写さないフレーミング!」
高画質のカメラで、広く撮って、自由にトリミングすれば良いなんて考えないで下さいねwww
Web掲載だけなら可能ですが、それをやっていたら絶対に上手くならないと思いますし、写真に撮りたいものに対する迫力や緊張感が写らないでしょう、、、著者は、出来るだけ、傾き補正と少しのトリミングだけしかしないようにしてます。特にローアングルとか、どうしても傾いたり、ストリートで人や標識などが、端っこに写ってしまったりしますので、、、2割程度はトリミングするでしょうか、、、
フレーミングは、特に、カメラマンの写真力に依るところだと思います!
レンズの選択や縦か横にするかなどでも大きく変わってきますし、何よりも、何を撮りたいか、何を写すべきかで変わってくるわけですから、そのカメラマンの感性や考え方で決まるのではないでしょうか、、、
著者の最近の写真から、ご紹介してみます、、、
テーマ「ROUGE」(モデル:高杉レナ(クレアトゥール所属))
口紅を小道具に、赤い壁で囲まれた極小部屋で撮影しました。大人に憧れる少女の表情とルージュ(口紅)を塗る唇を撮りたかったのですが、一切余計なものを省いて、大胆なフレーミングでインパクトを持たせてみました!もちろん、トリミング一切なしです。
テーマ「ILLumiNable GirL」(モデル:高杉レナ)
丸の内イルミネーションでの撮影、、、ある店頭のやや太い柱に飾られたイルミネーションの前で撮影しました。最初、普通に撮影したのですが、足元を写すと現実感が出るので、膝上あるいは腰上でのフレーミングで撮影しました。
ここでの著者が考えたポイントは、足元だけでなく、左右もイルミネーションの内側のみフレーミングして、フレーム内全てをイルミネーションで埋めることにより、見る方が、フレーミングの外側もイルミネーションが広がっていると錯覚するようにしたことです!実際は、左右は、ギリギリにフレーミングしてますwww
そうすると、今度は、イルミネーションの空に浮いているような写真を撮りたくて、モデルさんにお願いして跳んでもらいました!周りに人が多くいたので、トライは2回だけ、、、運良く、1枚上手く撮れました!これも、トリミング一切なしです。
テーマ「Voyage」(モデル:小澤のえる(ピュアベリーズ所属))
有明ふ頭での矢絣・袴での撮影でした。大正〜昭和時代に旅立つ少女を頭に描いて撮影しました、、、「開洋丸」という船名を全て写したかったので、換算35mmレンズでしたが、どんどん後ろに下がって、モデルは少し小さめになったのですが、船の大きさが強調されて、遠方に旅立つという雰囲気が出たなと思っており、お気に入りの1枚です。
斜めにするフレーミング(構図?)が流行っているようですが、重厚感や真摯さ、重厚な時間の流れを表そうとすると、やはり、重力を重んじたフレーミングが良いと思います。
トリミング一切なしです。
以上、著者の実例をご紹介しましたが、明確な意図で撮影すれば、するほど、フレーミングは決まるし、より大胆なフレーミングが出来ると思っています。
写真教室で習うフレーミングは、無駄・不要なものを写さないフレーミングですが、これは、同時に、何を撮りたいか、撮りたいものを意図してフレーミングするということだと思います。
今日は、この辺で、、、