前回、何を撮りたいか、撮りたいものを意図してフレーミングしていると言うお話しをしました、、、
さて、カメラを傾けて撮るというのが、流行りのようです、、、
斜め撮りは、「斜め構図」とは違うと思いますので、ここでは、「斜めフレーミング」と呼ぶことにします。
「本能的に自然に見えるように撮る」という基本を思い起こしたときに、傾けると重力が斜めになり、自然とのずれが生じてしまいます、、、きっと、無意識ながら、頭の中では、「これは、自然とは、ずれているけれど、カメラを傾けて撮ったんだ!」と理解しながら写真を見ているんだと思います、、、
傾けた写真が、ものすごくピッタリはまっていて感性にビビビっと来たならば、そんな理屈は考えないのだと思います。
ただ、著者の見る写真の中には、その傾きが、別にすごくもないし、なんでわざわざ傾けて撮ったんだろうという写真が溢れています。きっと、流行りで意味もなく、癖になってるから取り敢えず傾けて、あるいは、カメラマンによれば、格好いいと思って傾けて撮っているのだと思っています。
「傾ける」も一手法だと思います。ただ、折角、光を上手く捉えて良い感じなんですが、その写真が兎に角傾いている、、、すごく残念に思います。なんか、素人っぽいと感じます、、、時には、どれも同じように見えてきますwww
著者は、基本、重力を重視して撮ります、、、それは、人が地球上では、常に重力を感じながら生きているからです。理屈ではなく、本能です、、、但し、いくつかの理由で、カメラを意識して傾けるときがあります。
1)重力感をなくしたいとき、浮遊感、宙に浮いたような感じを写真に表現したいとき!
例えば、モデルさんに、上から覗き込んでもらって、真下から空に向かって撮る場合などです。
2)背景が単純になるとき!
例えば、直線が平行に並ぶような場合などです。
3)モデルの動きに合わせて、フレーミングをしているときに、偶々そうなったとき!
例えば、手を突然広げた場合、単焦点レンズだと、カメラを傾けて手先までフレーミングする場合などです。
4)それ以外の理由、、、
今年、著者が撮った写真を利用して、実例をご紹介してみたいと思います、、、
1)重力感をなくす、、、
モデル:高杉レナ(クレアトゥール所属)
意図的に、斜めにモデルを撮っています。これは、重力は写真の奥から手前方向にあり、写真に上下がないからです。天窓も、意図的に斜めに撮って、単純になるのを避けています。
この撮影は、何回やっても難しいです、、、上下左右がわけわからなくなりますwww
2)背景が単純にならないように、、、
背景を意図的に、少しながら傾けています。これを傾けないと、、、
これでも、良いと言えばいいんですが、頭の上で直線が平行に並びます、、、実例として、必ずしも良い例ではなかったかもしれませんが、例えば、こういう場合です。
但し、この場合、水平線をトリミングするのが良いのかもしれません。
モデル:星野くるみ(うずらフォト所属)@奄美大島
比較のために、元画像を、少しトリミングしてます。
3)は、割愛します。
⚫︎ これは、どうでしょうか?
これは、斜め構図になるように、わざわざ坂に座ってもらっています、、、背景の山々が傾いていないことから、分かると思います。従って、カメラを傾けてはいません。
⚫︎ この2つは、どちらがお好きでしょうか、、、
モデル:鈴木える(うずらフォト所属)@奄美大島
比較のために、元画像を全体的にトリミングしてます。
著者は、どちらかと言われれば、やはり、上が好きです。
浜辺も海も空も、横への広がりが感じられます。その広い自然の中でのポーズがいいなぁと思います。
まぁ、多くの方は、斜めになっているのに対して、既に見慣れているだろうし、著者も、今回、書いたのが基本であり、時には、理由もなくカメラを傾けることもあるかもしれません、、、
ただ、今は、「無駄に傾いた場合は、可能なレベルで傾き補正しています。」
現時点では、「傾ける」という雰囲気だけで、写真をごまかしていると良い写真を撮れるようにならないと思っているからです。「傾ける」という行為よりも、被写体や背景をもっと良く撮ることに集中したいからです。
「傾けなければならない写真」は、少ないはずです。傾けた方が良い写真でも、内容が、もっと良ければ、傾ける必要もなくなります。
「傾ける」も、写真の一手法であるとは思いますが、この流行りの呪縛から解き放たれてはどうでしょうか、、、
それでは、この辺で、、、